うちの割と近所(車で5分くらい)のところに同業のお店があったのですが、先日久しぶりにその前を通ったら潰れて?閉店していました。
そこはiPhone修理の専業店というわけではなく、携帯ショップの隣で副業みたいな形でiPhoneの修理をやっていたようだったのですが、携帯ショップとともに最近閉店してしまったようです。
立地が割といい場所なのでそこをうちが借りようかなんて父と冗談交じりに話していたのですがまぁそんな話しはさておき。
その閉店してしまったお店は、例によって全国展開しているフランチャイズ店だったようです。
ただ、実際に直接聞いたわけではなく、お店のホームページを見ただけなので実際の経営形態は分からないのですが、店舗一覧に他のお店が出てきたのでおそらくフランチャイズだと思います。
そこのお店というか、チェーンの売り文句というのが「画面修理が正規店の1/3の料金で出来ます!」というものでした。
もちろん、そんな低価格で修理するので再生パネルを使っているわけもなく、私が見た限り、コピーのみの取り扱いでした。
先日インスタにも書いたのですが、うちの業界ではこんな風に「正規店の半分以下の価格で画面修理できます!」などという「正規店と比べてこれだけ安いです」という謳い文句が広告として蔓延っているのですが、再生画面を使っているならまだしも、基本コピーパネルを使っているのにこんなこと言うのは誇大広告ではないかと思います。
だって、正規店とは使っている画面のレベルが雲泥の差なんですもん。
そんなの品質を考えれば、正規店の1/3で出来ることなんて至極当然なんです。
安くもなんともなく「妥当」です。
「正規店の半分以下の価格で画面修理ができます」という文言の下に「ただし、コピーパネルを使用しています。」と書いておくならいいと思いますが、そうでないなら、もはや嘘です。
私は前から思っていたのですが、どうしてこの業界にはこんな嘘がまかり通っているのでしょうか?
誰がこんな嘘言い出したんですか?
本当に理解できません。
先の修理店が閉店したと言いましたが、私は閉店してくれて良かったと思っています。
自分の利益どうこうではなく、そういう嘘をつく店は世の中のためにどんどん無くなって欲しいと思っているので、ものすごい嫌な言い方ですが、業界としてはひとつ浄化できたのではないかと思います。
それに関連して、先日うちのパネル屋さんに聞いたのですが、再生パネルを使った画面交換のメニューについて、ホームページで「純正品使用」「純正品同等」と謳っている東京のいくつかの修理店へAppleから注意喚起?のメールが届いたそうです。
おそらく肖像権関係の注意だと思います。
このところ、Appleのサードパーティ潰しはやりすぎなところもありますが、でも、まぁ、Appleの気持ちも正直分からなくはないです。
再生画面はあくまでも“再生画面”であり「純正品同等」ではありません。
フロント画面のガラス部分を張り替えているので、ガラス部分は純正ではありませんし、いくら純正のパネルを再生しているとはいえ、再生する技術の低いパネル屋の出している再生パネルの質は低いです。
私は様々な卸業者のパネルを見てきましたが、「ここのいいな」と思ったのは今のパネル屋さんの再生画面だけです。
再生画面といっても本当に色々あるんですよ。
照度・色・強度、すべての面において「純正品同等」と言ってもいいレベルにあるのは、日本広しといえどうちのパネル屋さんの出している、それも私と師匠が必死で選びに選んでお客様に出しているパネルだけではないかと思います。
それでも私と師匠は、純正品同等なんて言ったことは一度もありません。
そして、再生パネルが純正品と同等でないことは、その画面を出している修理店が1番良く分かっているはずです。
これもこの業界の謎のひとつなんですが、どうして、再生パネルのことをわざわざ“純正品同等”などと言う必要があるのでしょうか?
はっきりと「純正品を再生しているパネルです。」と言えばよくないですか?
この業界の人はお客様に嘘をつかなきゃいけない病気にでもかかっているんでしょうか?
そんなにお客様を騙さなくたって、この仕事を必要としてくれているお客様は一定数いらっしゃいます。
正規店だっていいところも悪いところもあり、非正規店にだっていいところも悪いところもあります。
それをしっかりと伝えてニーズに合うお客様にサービスを提供していけばいいじゃないですか。
この業界の人はデメリットを隠そうとしすぎなんですよ。
そんなに自分の店に自信がないなら辞めて正規プロバイダーにでもなれよ、と心から思います。

そして、いちiPhoneファンとして思うことは、AppleのつくっているiPhoneのフロント画面というのは本当に素晴らしく特別なものです。
金儲けのためとはいえ、コピーパネルなんかと比べないで欲しいですし、再生画面ですら純正品と同等ではありませんので、それをユーザーの方に伝えるのは止めて欲しいです。
iPhoneをつくっているAppleにも大変失礼です。
私たち非正規店はiPhoneをつくってくれるAppleがいるから存在することが出来ているので、Appleへのリスペクトを忘れてはいけないと思っています。
再生画面に関してはうちの店では、オープン当時からホームページに「液晶が純正のパネル」と記載し、お客様にも「純正を再生している画面です。」とご説明してきています。
ただ、パネル屋さんからの先の情報を受けて、ホームページの画面の説明ページに「完全なるAppleのオリジナル品とは異なります。」と言う文言を追加しました。
これをAppleがどう判断するかは分かりませんが、とりあえずうちの店としてはハッキリと明言しておきました。
お客様を騙そうと目先の利益を求めると遅かれ早かれ支持されなくなってしまうのだと、潰れたお店から学びました。
こんなスピードの速い時代だからこそ、お客様と一歩一歩信頼関係を築いて行けるように日々精進しようと気を引き締めた出来事でした。