修理店の苦しい事情

うちの店はiPhone修理に関しては「質」にこだわっています。

とにかくそのこだわりようといえば異常です。

質というのは具体的にいうと、修理に使うパーツと技術力ですね。

技術力は顧問である千葉の経験と知識に基づいて日夜磨いておりますので、特に問題はありません。

問題は修理に使用するパーツですね。

特にフロント画面、コピーパネルは全くですが、再生パネルに関しては品質を保つためにおそらく他店の1.5倍〜2倍くらいはお金と労力ををかけています。

その努力がこのところやっと実り始めており、画面交換に関してはお陰様で全国からご修理のご相談やご依頼を頂くようになりました。

そのため、最近郵送でのご修理を正式に始めることにしました。 →郵送修理

郵送でのご修理をご希望のお客様は上記リンクをご覧頂けますと幸いでございます。

さて、どうしてこんなにも全国にiPhone修理店があるにも関わらず、うちのような正規プロバイダーでもない田舎の小さな修理店が全国から修理依頼が来るかと言うと。

もう何度も言っておりますが、世の中の主流がコピーパネルで、しかもそれをお客様に黙って出しているからです。

画面交換後にお客様が「なんか画面がおかしい」と感じ、原因をネットで調べ、うちのホームページに辿り着いて真実を知り、ご修理依頼やご相談に繋がるわけですね。

うちの店はコピーパネルと再生パネルを完全に分けて、両者の品質の違いをご説明しお好みに合う方を選んでいただく形を取っているのですが、もう本当に、再生パネルの品質を保つのが大変です。

再生パネルというのは文字通り「割れたオリジナルパネルのガラスを張り替えて再生したパネル」なのですが、この「再生パネル」というのは品質が統一されていません。

普通にこの日本で生きてきた方には全く常識にないと思いますが、同じ時期に同じところから同じ金額で購入した画面の質がバラッバラなんてことも、この業界では日常茶飯事です。

そして、大半の再生業者は技術力が低く、コピーパネルの方が出来がいいなんてこともしばしば。

画面を買う私たち修理店はその煽りをめいいっぱい食っているので、普通の修理店ではコピーと再生を分けることが出来ないんですよ。

もし分けてしまったら「再生パネル」として出せる画面が無くなってしまうからです。

例として、これはうちで実際に出している画面です。

左が液晶が純正の再生パネルとして出しているもの、右は再生パネルとして出してはいるのですが「B品」として出しているものです。

これはどちらも液晶面は純正なのですが、右側はオリジナル(純正)と比べると、色合いが青く表示が薄いんですね。

(写真だと分かりにくいですが)

こういうものはうちではお客様には実際にお見せして、「B品」として通常よりお安くお出ししております。

なぜなら、これは色合いや液晶の表示の感じがコピーパネルに非常に似ているので、これを黙って出すと「コピーじゃないの?」と疑われる可能性があるかです。

ただ、これ、両方ともかかっている原価は同じなんですね。

でも、うちではこの右側の画面は「液晶が純正のパネルです」と言って堂々とお出し出来るクオリティでは無いので、“強度が心配だから、コピーは嫌”というお客様に「ちょっと品質は落ちるのですが、液晶面は純正のものです。これなら少しお安く出せますがいかがですか?」とご提案し、さらに実際に画面を見てもらってから出しています。

こんなこと、普通の修理店が出来ると思いますか? 

世の中の大半のお客様はコピーパネルを付けたって気づくことは稀です。

そして、再生パネルを買ったところでクオリティの低いものが来てしまう。

クオリティの低いものでもコピーパネルと比べると2倍近く原価がかかっているのに、品質が低いせいで「液晶が純正の高品質画面です。」と言って出すことも出来ない。

再生パネルを取り扱ったところで、原価ばかりかかって売上は思うように上がらない。

さらにコピーと再生を分けてしまうと、その品質差の説明を毎回毎回しなければいけない手間も増えてしまう。

そして、ここまでやってコピーばかり選ばれてしまったら、もう再生画面を扱う意味など無くなります。

こういう諸事情があるので、世の中の一般的な修理店は再生画面をやらない、もしくは取り扱いが出来ないんだと思います。

だって何も考えず他店より1円でも安く修理すればお客さんは来るんですもん。

質になんかこだわっている方がおかしいですよ。笑

それに、そもそも品質にこだわりのある方は基本的にはApple Storeへ修理依頼をするでしょうし、まぁ非正規店で修理の質にこだわるなんてのは隙間産業中の隙間産業なんですよね。

大多数のお客さんが「安ければ安いだけいい」と思っているので、それが今の修理業界の方向を作りあげてしまったというのが背景にあるのでは無いかと思います。

ですので、業界の人から見れば私の方がよっぽど大馬鹿なんです。笑

iPhone修理店激戦区の新宿や池袋の画面修理の価格を見てみてください。

ある大手の修理業者の価格表ですが、ガラス割れの画面交換が7で税抜き6,380円、6Sで4,800円、6で3,380円、SEで4,380円。

まぁうちの方が安かったですが(笑)

こんな料金で高品質を求めている方がおかしいです。

iPhone6の画面交換が税込で3,500円ですよ。

むしろあんな東京の超一等地で、品質はどうあれこの価格で修理してくれることを感謝すべきとすら私は思います。

普通に考えて、あんな高い家賃の場所でこんなに安くやっているのだから、質にこだわるなんて絶対に無理ですよ。

今の日本人は良いものがありえない安価で手に入ってしまうので、それが当たり前だと思っているかもしれませんが、液晶のある電化製品に関しては本当に値段なりです。

ただ、いくら低品質でもこの価格で修理してくれることに助けられている人も大勢いるわけですよね。

そういう人にとっては有難い店なので、好みに合わない方は行かないようにしましょう。

お客さんが行かなきゃそのうち潰れますので。

どんどん潰れていけば、この業界の人たちだって「もうこのやり方はダメだな」と気付くと思います。

上でも触れたように、うちには全国からご修理のご依頼が来ます。

その度に「どうして他の店はあなたのところのように正直にやらないんですか? どうしてコピーを黙って出しているんですか?」とお尋ね頂くのですが、今日ご紹介したような理由があるからだと思います。

そして、人間は誰でもそうだと思いますが、1円でも多く目の前の利益が欲しいんですよ。

それは商売なので仕方がないです。

この業界には私よりも崇高な理念を持ち、自分の給料を減らしてまで画面の質にこだわっている私のような馬鹿などもひとりもいません。

修理店を批判している人だって、そんなこと出来ないですよね?

だから、まぁiPhoneの修理店って結構大変なんですよ(笑)

質にこだわりたくても、そもそも質の良い画面を出せる卸業者がほとんどいませんし、こだわるにはそれ相応のお金がかかるので、ある程度お金と時間の余裕が無いと無理です。

だったら「お客さんは言わなきゃ気付かないしコピーで安く修理しちゃおう」ってなるんですよ。

お客様にそんな裏事情を理解しろなんていうことは思いませんが、修理店にも修理店なりの苦しい事情があるということだけ書いておきます。

擁護するわけじゃないですけどね。

コピーを出すなら出すで「こういうものですが大丈夫でしょうか?」としっかりと事前説明するべきだとは思いますが、それをやってしまうと折角来てくれたお客さんが他に行ってしまうかもしれず、そうすると売上にならないですしね。

なんかこれを書いていてどういうモチベーションで他店は修理店を運営しているのか分からなくなってきました。

こんな辛いことやっていて楽しいんですかね。

一度、激戦区にある修理店の経営者に話を聞いてみたいです。

もし、非正規店で画面交換をして変な画面をつけられたとお怒りの方がいましたら、修理店には修理店なりの質にこだわれない事情があるということをご存知頂ければ、多少怒りも収まるかと思いまして、今日はその事情を書いてみました。

まぁ、あまりお怒りにならず、こんな苦しいことをやっているんだと同情してあげてください。

さらに最近は法律の締め付けも厳しくなってきており、国からの認定を取るだの取らないだので競争になっているみたいなので、益々費用ばかりかかっているようです。

「大変なんだ、可哀想だな」と同情と悲哀の気持ちを持ってもらえれば怒りの気持ちも少しは晴れるのではないでしょうか。

少しでもiPhone修理の非正規店に対してマイナスなイメージが減ってもらえると嬉しく思います。